【時間について】






2017/11/05 NHK サイエンスZERO
「“人類の夢の技術”(1)タイムマシンは実現するのか!?」

2018/03/08 [Eテレ]モーガン・フリーマン 時空を超えて
最終回「時間を遡ることはできるのか?」


●2017/11/05 NHKEテレ
サイエンスZERO「“人類の夢の技術”(1)タイムマシンは実現するのか!?」

アインシュタインの相対性理論ですが、アインシュタインは2つのことを見つけました。

”高速で動くほど時間はゆっくり流れる”
”重力が強いほど時間はゆっくり流れる”

つまり、
時間は観測する人によってゆっくり進んだり早く進んだりするわけです。
光の速さは不変で時間は変化するという理論です。
時間は伸びたり縮んだりするというのですね。
光の速さが誰から見ても同じという事を使って、
1秒の定義を光が30万km進む時間として定義するというふうに国際的に決まっております。

相対性理論によると標高が低いほど重力の影響を受け時間はゆっくりと進みます。
それを実証したのが超高精度の時計『光格子時計』
仕組みはこのブログでは割愛しますが、
標高差が15mほどの東京大学と埼玉の理化学研究所に時計を設置して3日間それぞれの時間を計算しました。
結果、
標高の低い東京大学の時計の方が僅かにゆっくりと動いている事が分かりました。
3日間で100億分の4秒遅れていたのです。

次に、”高速で動くほど時間はゆっくり流れる”ですが、
最近発表があったニュースがあります。
火星に人類を送り込むという壮大な計画を進めるアメリカのSpaceX社。
先日地球上の主要都市をロケットで結ぶ計画を発表しました。
例えば日本からハワイまで僅か30分ほどで移動できるようになるといいます。
5年後以降の運用を目指すそうです。
このSpaceXが出したロケットは半年で火星に行けるっていう計算なので、どれくらい時間のずれが出るかというと、1年たっても0.01秒。
未来は未来なんですけどね。。。
タイムトラベル感があんまりない。。。
そこで、
去年スティーブン・ホーキング博士らによって発表されたスターショット計画。
地球から4.2光年最も近い系外惑星プロキシマbなどに探査機を送るミッションです。
地上からレーザーを発射して探査機を進めるという計画ですが光の速度の20%まで到達できると考えられています。
最新の研究では小さなチップ型の探査機を宇宙空間に運ぶ事に成功。
現在はこのチップと通信チェックを行っています。
今は小さいチップですが、
これに人間が乗れたとすると、どれくらい時間のずれが出るのか。
そうしますと365日もしこのロケットに乗って行って帰ってきたとしますと時間の経過の違いはロケットの上では357.6日。
差は7.4日。
約1週間です。
1週間未来に行けるという事になります。

次に『過去へ行くおはなし』
過去に行って過去の出来事を変えてしまいますと現在の出来事が変わってしまうという可能性が出てきます。
矛盾が生じてしまうというのがタイムパラドックスです。
例えば私がタイムマシンに乗って過去に行きますね。
そうすると両親がいるんですよ。
なぜか僕はその両親の結婚を邪魔してしまいました。
すると両親は結婚しないんで私は生まれない訳ですよ。
あれ?という事は私は存在しないのかも。
あれ?どうなっちゃうんだろう?どっちっていう矛盾です。

未来に行く事とは訳が違いますね。

そして番組では、ワームホールなどの可能性を紹介していましたが、
”過去へ行く”ことはまだまだ技術的にも何もかも難しそうでした。





●2018/03/08 [Eテレ]モーガン・フリーマン 時空を超えて
最終回「時間を遡ることはできるのか?」より

相対性理論によれば過去・現在・未来という時間の区別は単なる幻想に過ぎないと言う。

クレイグ・キャレンダー(哲学者)

相対性理論によれば空間が三次元であるように時間も一つの次元。
その場合、空間に絶対的な ”ここ”が存在しないように 時間にも絶対的な”今”は存在しない
ことになる。
キャレンダーがいる場所はサンディエゴだが世界にはロンドンやモスクワなど様々な場所が存在している。
時間の場合もそれと同じような事が起きている。

アインシュタインによれば全ての時間は他の三つの次元とともに既に存在している。
つまり過去も現在も未来も同時に存在している
ということ。
時間は決して止まらない。
しかし、脳が処理できるのは一度に一つの瞬間だけで現在と呼ばれる時間。

ジェームズ・ハートル(物理学者)

脳は絶え間なく情報を処理し最新の情報が現在になる。
そして脳は古い情報を次々と記憶という倉庫に収めていく。
最新の情報が現在で、記憶に収めた情報が過去ということ。
その二つを使って予想される情報が未来です。

生き残るための最も効果的な方法として生き物は目の前の出来事を現在として認識する能力を発達させました。
脳があらゆる瞬間を現在として認識できるとしたら貴重な情報処理能力を役に立たない選択肢に対しても費やすことになる。

選択肢の多さに圧倒され動きが取れなくなってしまうとハートルは考えている。

過去・現在・未来と言う時間の捉え方は生き残る上で最良の選択。
この環境に最も適した物語を脳が作り出している
のです。

では全く違う環境では時間の捉え方も変わってくるのだろうか。
他の惑星に住む生命体が過去・現在・未来という形で時間を捕えているかどうかは非常に興味深い問題。
環境が全く異なる星に住む生命体は、私たちとは違う時間の捉え方をしているかもしれない。
過去・現在・未来を同時に捉えている可能性すらある。

そのような時間の捉え方は人類には不可能なのか。
そうでもなさそうです。
最先端の科学では『未来が現在の行動に影響を及ぼしている』といいます。

観察対象が”素粒子”の場合、私たちが観測するまで素粒子の位置は定まっていません。
これは、未来が過去に影響を及ぼす可能性を示しています。

『未来の出来事が現在に影響を及ぼす』
少なくとも素粒子の世界ではそれが観察されています。
そして人間もこの世界も、すべて素粒子から成り立っています。
だとすれば、宇宙の最終的な運命が現在に影響を及ぼしているのでは?

ポール・デイヴィス(物理学者)
未来で起きることと現在起きることは結び付いています。
現在はなぜか未来で起きることを知っているんです。
同様に現在起きていることも過去に影響を与えています。

日常生活にあてはめると奇妙な話ですが、これは素粒子の世界で実際に起きてることです。
問題は素粒子レベルの話がもっと大きなレベルでも通用するのか、という点です。

デイヴィスは、
ある物体が未来に存在する位置が、現在とりうる位置を制限する。
それと同じことが私たちの日常生活でも起きているのではないかと考えている。

 例えば、デイヴィスは妻と記念日のディナーを楽しむとします。
これによって彼の行動は事前に制限を受けます。
同じ日に、同僚がディヴィスをコンサートに誘ったとします。
もしYESと言えば妻との約束をすっぽかすことになります。
予定をチェックしている間、彼は自分に選択肢があるように感じているかもしれません。
コンサートとディナー、どちらを選ぼうか、ね。
しかし実際には選択肢など最初から存在しません。もしディナーをすっぽかしたら彼の人生は壊滅的な打撃を受けることになるからです。

「これをしないといけない。あれもしないといけない」どちらを選ぼう。未来の行動の選択によって、現在の行動が制限されるのです。
このような、未来から過去へと向かう影響力は宇宙的な規模で働いているとディヴィスは考えます。

宇宙を”チョコレート工場”に例えてみましょう。
ビッグバンが製造ラインの最初の部分、宇宙の終わりが完成したチョコレートが出てくるところ。
現在はその中間のどこかです。

今、起きていることが物事の最終状態を決定すると思うかもしれないが実は完成したチョコレートが製造工程を決めているのです。
最終的にどんなチョコレートを完成させるかによって特定の材料が選ばれます。
製造ラインの途中を見るとクリームやラズベリー味の材料入れることで様々なチョコレートができるように見えるかもしれません。
しかしラズベリー味のチョコレートを作るなら最初からその材料しか製造ラインに入りません。
結末が現在起こりうることを制限しているのです。

同じような力が宇宙の終わりから現在に向けて働いている可能性があります。
宇宙の最終状態が元々決まっているのだと考えればそれは製造ライン=すなわち現在にも影響を与えているはずです。

ただし大きな違いがあります。
チョコレートの場合、製造する機械の構造によって最終状態がどうなるかあらかじめ決まっています。
一方宇宙の場合、そのような最終状態が存在するかどうかは分かりません。

科学者の多くは遥か未来の宇宙について冷たく暗く素粒子が全くない状態になると考えています。
デイビスは そんな未来の影響力をある実験によって検知できるかもしれないと考えています。

例えば宇宙の彼方に向けてレーザーを発射するというものです。
発射したレーザーは最終的に惑星か何かにぶつかるのであれば正常に作動するはずです。
しかし物質が何もない空間(理論上レーザーが永遠に飛び続けるような空間)に発射した場合はレーザーは作動しないかもしれません。
宇宙の暗い部分にレーザーを放つ実験で未来の宇宙に光が存在するかどうかがわかります。
宇宙の最終状態に光が存在しないのであれば遥か未来まで飛び続けるレーザービームは存在を許されないはずです。
従ってレーザーは作動しない可能性があるということです。

私たちが時間を遡り、過去に影響を与えられるかもしれないのです。
量子力学は未来が過去をコントロールできる可能性を示唆しています。
その理論を実践できる日が来るかもしれません。

しかし、どの程度のことが?

引き寄せの法則|宇宙の画像

トッド・ブルン(物理学者)

時間は一方向にのみ進む。
しかし、アインシュタインが言うように時間が一つの次元だとすれば過ぎ去った時間は消滅したわけではなくまだどこかに存在しているはずです。

時空とは過去に起きたこと、現在起きていること、未来に起きることそれら全てを含む存在。
過去に起きた出来事は今も存在するのに手が届かないだけなのかも。

アインシュタインの理論によると光の速さを超えて移動すれば時間は逆向きに流れるはずです。
しかし光の速さで移動するには無限大のエネルギーが必要なのでこの方法は使えません。
しかし過去に行く方法は他にあるかもしれない。
それは「時間的閉曲線」と言われる時空の歪みで別の時間への抜け道となる物を使うというものです。
時空に物質が特殊な配置で置かれるとそうした経路が大きく曲がり、輪っかのような構造になるもの。
これを利用すれば光より速く移動する必要はない。

アインシュタインの方程式を解いて行くと時間的閉曲線を含んだ解が見つかり物理学の法則に従って過去に戻ることは理論的に可能です。
ブルンが先祖のところを訪れタイムトラベルの仕組みを教えることもできるということです。
しかしブルンは過去を変えることは不可能だと考えています。
そうでないと多くの矛盾が生じるから。
ひとつの世界の歴史には一つの行動しか納まらない。
矛盾することや両立できないことの存在は許されないということです。
別の言い方をするとタイムトラベラーの行動はすでに起きたことと必ず合致するということ。

例えば過去にタイムトラベルをしたブルンが あるダンスを止めたいと思ったとする。
過去に矛盾が生じてはなりません。
だからブルンが過去のダンスに割り込んである人物の邪魔をしようとすると、その瞬間その人物はダンスを止めて去っていくはず。
ブルンが過去を変えようとしても既に起きた出来事を実現させること以外の事はできないのです。
もし、ブルンがダンスの輪に飛び込んだとしたら そのような過去は既に存在しているはず。
そのダンスは元々邪魔が入るようになっていて それをブルンが実現したに過ぎないということ。
もしダンスが滞りなく終わったという過去が存在するなら邪魔をしようという部分の努力は無駄に終わるはずです。
このような安全装置がある以上、過去に戻って自分が生まれる前の親を殺すことはできるのか?という問題はそもそも成立しないことになる。

しかし、無視できないパラドックス(矛盾)がもう一つある。
タイムトラベラーがタイムマシンの設計図を祖先に渡す場合。
祖先はもらった設計図を子孫に伝えるはず。
その設計図を使って子孫が過去にタイムトラベルをしたとすれば そもそも設計図を作ったのは一体誰なのだろう?
何もないところから設計図が湧いて出たことになります。
タイムトラベルは不可能だと考える人々は しばしばこのパラドックスを引き合いに出します。

しかしブルンはタイムトラベルによって「無」から情報を引き出すことが可能だという。
時間的閉曲線に関するいくつかのモデルによれば この世界は何の計算もせずに情報を生み出すことが可能です。
そのためブルンは歴史は変えられないものの過去に戻ることはできると考えています。